アラブ首長国連邦の各「首長」が首長(Emir / Amir)ではない件について

 アラブ首長国連邦(UAE)には七人の首長(アブダビ首長、ドバイ首長、シャールジャ首長、アジュマーン首長、ウンム・アル=カイワイン首長、フジャイラ首長、ラアス・アル=ハイマ首長【ラスアルハイマ】)が存在します。

 この七人の首長の称号は、英語では Ruler であり、カタール国やクウェート国の首長の Emir とは異なります。
 アラブ首長国連邦(United Arab Emirates)という国名もあってか、 Ruler ではなく Emir と記入している人たちもいるのですが(うちのサイトでも併記してます)、おそらくつきの話ですが、現在のアラブ首長国連邦の七人の首長は Emir ではありません。

 Emir は、アラビア語では(ラテン文字アルファベットで書くと) Amir(アミール) で、クウェートやカタールの首長はこれを用いますが、UAEの各首長には Hakim(ハーキム) が使用されます。
 この Hakim というのは、正確な定義・定訳はわからないのですが、20世紀にも Amir の下で自治的活動をおこなっていた Hakim がいたらしく、 Hakim というのは Amir より格下の称号ではないかと思います。

 ではなぜ、 Amir ではなく Hakim になっているのか。
 一つの想像ですが、もともとは Amir だったものが、アラブ首長国連邦を形成するに際し、称号の格を下げたのではないかと思います。ただその場合、称号は格下げしたのに、敬称(Highness)が格下げされていないという不思議が残ってしまいますが。

 ともあれ、この件は引き続き、機会があれば調べていきます。

 また、彼らが Emir ではないとすると、「首長」という訳に問題はないのか(カタール首長やクウェート首長より明確に格下の称号である可能性があるため)という話も出てきますが、これは中東での Hakim の位置づけを理解しないとどうにもならないことでもあるので、先送りしておきます。
※そもそも Emir を「首長」としているのも違和感があるといえばあります。

 

参考(ウィキペディア):
 アラブ首長国連邦 – Wikipedia