記事(英語):ナイジェリアで最も強力な王たち トップ10(2022年9月)

 定期的に見かけるタイプの記事ですが、ナイジェリア連邦共和国で最も影響力のある伝統的君主を10人挙げています。

 

 (英語)Most Powerful Kings in Nigeria (With Pictures): Top 10 – Bscholarly

 

 10人は、

1. Alaafin of Oyo
2. Emir of Kano
3. Sultan of Sokoto
4. Ooni of Ile-Ife:
5. Dein of Agbor
6. Oba of Benin
7. Oba of Lagos
8. Obi of Onitsha
9. Olu of Warri
10. Olubadan of Ibadan

 となっており、

  1. オヨ王
  2. カノ首長
  3. ソコトのスルタン
  4. (イレ=)イフェ王
  5. アグボー王
  6. ベニン王
  7. ラゴス王
  8. オニチャ王
  9. ワリ王
  10. イバダン王

 いずれも記事などで動静がよく報じられる人物たちです(オヨ王は2022年4月に崩御し、空位)。

 1.のオヨ王と、4.のイフェ王は、ヨルバ系の二大君主です。歴史的にもあまり仲がよろしくありません。
 7.のラゴス王、10.のイバダン王もヨルバ系なので、このトップ10ではヨルバ系君主が4人ということになります。イバダン王は最近崩御があり、先代王と確執・騒動があった人物が新たに王となっています。

 2.のカノ首長は、北部イスラム圏ではナンバー2の君主です。
 大きな影響力を誇った先々代のアド・バイエロの薨去後、長男のサヌシ・アド・バイエロではなく、ムハンマド・サヌシ2世(ジョナサン大統領(当時)と対立した中央銀行総裁(当時))が政治的なバランスも考慮されて州知事から指名されていました。
 しかし結局、廃位され、アド・バイエロの次男(?)のアミヌ・アド・バイエロ(ビチ首長という新設の首長になっていた)が継承しています。ビチ首長自体は弟のナシル・アド・バイエロが継承。
 また先述のサヌシ・アド・バイエロは首長位につけておらず、弟の即位後に評議会のメンバーに選出されていますが、将来の継承に影響が出るのかどうかはわかりません。

 3.のソコトのスルタンは、北部イスラム圏でナンバー1の権威の君主です。
 ナイジェリアからのマッカ(メッカ)巡礼を率いる役割を毎年のように大統領から打診されていますが、これが伝統なのかどうかはよくわかりません。

 5.のアグボー王は、(Dein of Agbor)という称号を用いますが、州の伝統的君主の評議会がこの称号を取り消して他の君主らと同じようなものにしようとした結果、抗議活動が起こったりするなどの出来事がありました。

 6.ベニン王、8.オニチャ王に比べると、9.ワリ王の知名度は低かったように思いますが、昨年の戴冠式に大統領経験者やイフェ王の訪問があったり、関連してベニン王との歴史的つながりがあらためて示されたりということがありました。

結婚式(2021年8月20日):ナイジェリア伝統的君主/ビチ首長の娘ザハラ・ナシル・バイェロ王女と大統領の息子ユスフ・ブハリ氏。大統領、ジョナサン(元)大統領、イフェ王など多数の参列

 2021年8月20日、ナイジェリア連邦共和国カノ州の伝統的君主のひとりビチ首長“アルハッジ”・ナシル・アド・バイェロ殿下(His Royal Highness Alhaji Nasiru Ado Bayero, Emir of Bichi)の娘ザハラ・ナシル・バイェロ王女(Princess Zahra Nasir Bayero)と、ナイジェリア連邦共和国大統領ムハンマド・ブハリ閣下(His Excellency Muhammadu Buhari GCFR)の子息ユスフ・ブハリ氏(Yusuf Buhari)が結婚式を挙げました。

 ビチ首長の兄アミヌ・アド・バイェロ殿下は同共和国北部で二番目の権威といわれるカノ首長の地位にあります。

 現職大統領の一人息子と、北部の伝統的君主の娘の結婚ということで、多数の要人や伝統的君主が参列しています。

参列者(判明し次第追記します)/
新婦側:
 ビチ首長“アルハッジ”・ナシル・アド・バイェロ殿下
  (やや遠縁)ビチ首長らと対立し、金銭疑惑で他州へ逃亡していたはずのナイジェリア中央銀行の元総裁・前カノ首長“アルハッジ”・ムハンマド・サヌシ2世殿下(His Royal Highness Alhaji Muhammad Sanusi II, The Emir of Kano : サヌシ・ラミド・サヌシSanusi Lamido Sanusi

新郎側:
 新郎の父ムハンマド・ブハリ大統領閣下
 新郎の母アイシャ・ブハリAisha Buhari
 新郎の姉妹ザラー・ブハリZarah Buhari

伝統的君主:
 イフェ王【オオニorオニ】オジャジャ2世、“オバ”・アデイェイェ・エニタン・オグンウシ陛下(His Royal Majesty Oba Adeyeye Enitan Ogunwusi, Ojaja II, The Ooni of Ife : His Imperial Majesty Alayeluwa Arole Oduduwa Olofin Adimula, Ọ̀ọni Adeyẹ́yẹ̀ Ẹnitan Bàbátunde Ògúnwusi Ọjàjà II, Ooni of Ife)

要人:
 ナイジェリア連邦共和国副大統領イェミ・オシンバジョ閣下(Yemi Osinbajo
 ナイジェリア連邦共和国ニジェール・デルタ担当大臣ゴッズウィル・アクパビオ閣下(Godswill Akpabio
 ナイジェリア連邦共和国通信・デジタル経済大臣イーサ・アリ・パンタミ閣下(Isa Ali Pantami
 元・大統領グッドラック・ジョナサン閣下(Goodluck Jonathan
 元・副大統領アティク・アブバカル閣下(Atiku Abubakar
 ガンビア大統領夫人ファトゥマタ・バー・バロウFatoumata Bah Barrow

 

 (西アフリカピジン英語)Yusuf Buhari and Zahra Bayero wedding fotos: President Muhammadu Buhari son fatiha fotos – BBC News Pidgin

 

 (英語)Wedding of Yusuf Buhari to Princess Zahra Nasir Bayero – Royal presidential wedding – THE AFRICAN ROYAL FAMILIES

 

M & M Photography(@m_and_m_photographyng) • Instagram写真と動画

 

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戴冠式(2021年8月21日):ナイジェリア伝統的君主/ワリ王国のショラ王子が、ワリ王アトゥワツェ3世として戴冠

 2021年8月21日、ナイジェリア連邦共和国デルタ州のワリ王国で、ショラ・エミコ王子(Omoba Prince Tsola Emiko)の戴冠式がおこなわれました。
 同王子は、第21代ワリ王(Olu of Warri)として戴冠、父である故アトゥワツェ2世に次ぐアトゥワツェ3世(Ogiame Atuwatse III)の統治名を選択したようです。
※「Ogiame」は王の称号の一つだと思います。

 

 (西アフリカピジン英語)Olu of Warri coronation: Omoba Tshola Emiko go become 21st crown king – BBC News Pidgin

 (英語)Prince Tsola Emiko is the new King (Olu) of Warri, Nigeria – THE AFRICAN ROYAL FAMILIES
 (英語)Coronation of 21st Olu (King) Ogiame Atuwatse III Tsola Emiko of Warri kingdom, Nigeria – THE AFRICAN ROYAL FAMILIES

 

戴冠の瞬間/
Olu of Warri Kingdom(ワリ王国 公式チャンネル):
The Moment the 21st Olu of Warri was crowned – YouTube

戴冠後/
Olu of Warri Kingdom(ワリ王国 公式チャンネル):
21 olu of Warri in Tears ad he worships God after he is crowned – YouTube

 

人々と行進/
Olu of Warri Kingdom(ワリ王国 公式チャンネル):
The Olu of Warri takes a long walk with the youths of Warri Kingdom – YouTube

 

フル映像:5時間46分ほど(始まる前の告知映像リピートも含む)/
Olu of Warri Kingdom(ワリ王国 公式チャンネル):
The Coronation of The 21st Olu of Warri Event – YouTube

 

関連:
 ナイジェリア伝統的君主:ワリ王アトゥワツェ3世陛下が、オバサンジョ(元)大統領の表敬訪問を受ける(2021年8月)
 ナイジェリア伝統的君主:ワリ王アトゥワツェ3世陛下が、グッドラック・ジョナサン(前)大統領の表敬訪問を受ける(2021年8月)
 ナイジェリア伝統的君主:ワリ王アトゥワツェ3世陛下が、ナイジェリア連邦共和国下院議長フェミ・グバジャビアミラ閣下の表敬訪問を受ける(2021年8月)

 

イフェ王【オオニorオニ】オジャジャ2世、“オバ”・アデイェイェ・エニタン・オグンウシ陛下(His Royal Majesty Oba Adeyeye Enitan Ogunwusi, Ojaja II, The Ooni of Ife : His Imperial Majesty Alayeluwa Arole Oduduwa Olofin Adimula, Ọ̀ọni Adeyẹ́yẹ̀ Ẹnitan Bàbátunde Ògúnwusi Ọjàjà II, Ooni of Ife)との写真:
Ooni Adeyeye Enitan Ogunwusi(@ooniadimulaife) • Instagram写真と動画

ナイジェリア伝統的君主:イフェ王オジャジャ2世陛下の送った顧問団が、オヨ王 ラミディ・オライウォラ・アデイェミ3世 陛下から会見を拒否されたとの報道(2021年7月)

 2021年7月30日、イフェ王【オオニorオニ】オジャジャ2世、“オバ”・アデイェイェ・エニタン・オグンウシ陛下(His Royal Majesty Oba Adeyeye Enitan Ogunwusi, Ojaja II, The Ooni of Ife : His Imperial Majesty Alayeluwa Arole Oduduwa Olofin Adimula, Ọ̀ọni Adeyẹ́yẹ̀ Ẹnitan Bàbátunde Ògúnwusi Ọjàjà II, Ooni of Ife)が送った顧問団が、オヨ王“オバ”・ラミディ・オライウォラ・アデイェミ3世陛下(His Royal Majesty【His Imperial Majesty】 Oba Lamidi Olayiwola Adeyemi III, J.P, CFR, LL.D, The Alaafin of Oyo)から、二時間半待たされたあげく、会見を拒否された模様です。
 両者はヨルバ系君主の中でも二大最高権威です。

 詳細については、アポイントメントがなかったとの話も出ているのですが、顧問団の中にブハリ大統領を罵るもの・オバサンジョ(元)大統領(ヨルバ系)を支持するものがいたことがオヨ王の怒りをかったというのが当該記事の中での見方です。

 この顧問団は割と最近結成されたもので、今回はオヨ王から祝福を受けるのを目的とした訪問です。
 また、フラニ人との対決を煽ったり、ヨルバ系による独立国家建設を目指して活動し、拘束されたサンデー・アデイェモ首長?(Chief Sunday Adeyemoサンデー・イグボホSunday Igboho)に関する問題も話し合われることになる可能性もあったようですが、それ以前の状況となっています。
※この人物に関しては「Chief」付きで呼ばれていますが、詳細は不明。解放を呼びかける支持者が掲げているプラカードではフリーダム・ファイターとされています。

 顧問団の中にはオリレ=イグボン王フランシス・アラオ陛下(His Royal Majesty Oba Francis Alao, Olugbon of Orile-Igbon)の名もあり、また(元)オグン州知事も含まれているものの、後者は今回は同行していなかったようです。

 

 (英語)Alaafin shuns Ooni-backed group over alleged anti-Buhari posture – Punch Newspapers

Punch NewspapersさんはTwitterを使っています 「Alaafin shuns Ooni-backed group over alleged anti-Buhari posture – Punch Newspapers https://t.co/Lc97r8YdKz」 / Twitter

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 (英語)Ooni's think-tank visits Alaafin, seeks support of traditional ruler – Daily Post Nigeria

 

 サンデー・アデイェモ首長?(Chief Sunday Adeyemoサンデー・イグボホSunday Igboho)については、ヨルバ国家を望む分離主義者というタイトルで BBC も記事を出しています。
 (英語)Sunday Igboho: The Nigerian separatist who wants a Yoruba nation – BBC News

45歳(2021年4月10日):ナイジェリア伝統的君主/イカテ=エレグシ王サヒード・アデモラ・エレグシ陛下【クセンラ3世】が45歳を迎える。君主・セレブ・政財界の大物らが祝宴に参列(コロナ対策せず)

 ナイジェリア連邦共和国ラゴス州の伝統的君主の一人、イカテ=エレグシ王サヒード・アデモラ・エレグシ陛下(His Royal Majesty Alaiyeluwa Oba Saheed Ademola Elegushi, Elegushi of Ikate-Elegushi Kingdom : クセンラ3世Kusenla III)が45歳を迎えました。

 二日間おこなわれた祝宴では、君主・セレブ・政財界の大物らが参列しましたが、要求されている新型コロナウイルス感染症【COVID-19】対策はまったくもっておこなわれなかった模様。君主だけ見ても対策しそうにない方々ばかり来ている感もありますが……。
 ラゴス州はナイジェリアの感染の中心地ですが、ナイジェリア自体の発表感染者数は日本よりはるかに少ないです(信用できるかはわかりませんが)。

 

祝宴の参列者:
 イフェ王【オオニorオニ】オジャジャ2世、“オバ”・アデイェイェ・エニタン・オグンウシ陛下(His Royal Majesty Oba Adeyeye Enitan Ogunwusi, Ojaja II, The Ooni of Ife : His Imperial Majesty Alayeluwa Arole Oduduwa Olofin Adimula, Ọ̀ọni Adeyẹ́yẹ̀ Ẹnitan Bàbátunde Ògúnwusi Ọjàjà II, Ooni of Ife)、
 イウォ王“オバ”・アブドゥルラシード・アデウェール・アカンビ陛下(テル1世 : His Royal Majesty Oba Abdulrasheed Adewale Akanbi, Telu I, The Oluwo of Iwoland【Iwo Land】)
 イル王“オバ”・アブドゥルワシウ・オモグボラハン・ラワル陛下(His Royal Majesty Oba Abdulwasiu Omogbolahan Lawal, The Oniru of Iru : アビソグン2世Abisogun II
 イカテ王“オバ”・ラティーフ・アタンダ・アビオドゥン・アダムス陛下(His Royal Majesty Oba Lateef Atanda Abiodun Adams, the Onikate of Ikate)
 イララ王“オバ”・オルフォラリン・オルカヨデ・オグンサンウォ陛下(His Royal Majesty Oba Olufolarin Olukayode Ogunsanwo, Alara of Ilara : テラデ4世Telade IV
 ナイキ・オクンダイェ首長(Chief Nike Okundaye

 

 (英語)Monarchs, Socialites Ignore Covid-19 Protocols at HRM Saheed Elegushi’s 45th Birthday Party

THEWILL NEWSPAPERさんはTwitterを使っています 「Monarchs, Socialites Ignore Covid-19 Protocols at HRM Saheed Elegushi’s 45th Birthday Party https://t.co/kGQ1cNK3Jh https://t.co/3ShVbDvsV6」 / Twitter

 

ヨルバ系君主の最高権威イフェ王【オオニorオニ】オジャジャ2世、“オバ”・アデイェイェ・エニタン・オグンウシ陛下と:
Oba Elegushi of Ikate Kingdom(@hrmsaelegushi) • Instagram写真と動画

 

ハディザト・アデショラ・エレグシ第二王妃(Queen【Olori】 Hadizat Adeshola Elegushi)と:
Oba Elegushi of Ikate Kingdom(@hrmsaelegushi) • Instagram写真と動画

 

セキナト・アラミデ・エレグシ第一王妃(Queen【Olori】 Sekinat Aramide Elegushi)らと:
Oba Elegushi of Ikate Kingdom(@hrmsaelegushi) • Instagram写真と動画